顧客エンゲージメント

対話式パーソナライズ・ビデオとマーケティング戦略の一体化による効果

リズ・ロシュ ピツニーボウズ デジタルコマース向け顧客エンゲージメント・ソリューション販売促進部門 ディレクター

過去数年のあいだに、顧客や見込み客に働きかける効果的なビジネスツールとして、デジタルチャネルの重要性が劇的に高まっています。各企業でも、販売・マーケティング戦略の枠組みにデジタルマーケティングを取り入れる動きが見えてきました。

なかでも、顧客エンゲージメントに関する多くの課題を解決するために不可欠な要素となりつつあるのがビデオです。市場調査会社eマーケターのレポートによれば、米国の成人が1日にデジタルビデオを視聴する時間数は約1時間。しかもこの数字は引きつづき増加傾向にあるのです。

企業にとって、ビデオの持つ力が複雑化する顧客のニーズに応えるための新たな活路となることは明らかです。しかし一方で、「デジタル」であるがゆえに、いまだ多くの企業が「ビデオは販売・マーケティング戦略の枠組みに馴染まない異質なものである」という誤った認識を持ちつづけています。

ビデオは決して、異質なツールでも、まして顧客エンゲージメントの単なる付録でもありません。オムニチャネルを活用したマーケティングアプローチの中で、ビデオを単独のサービス機能として捉える既成概念は思い切って捨て去るべきです。むしろ、ビデオやデジタルマーケティングを、既存の販売・マーケティングの枠組みと完全に一体化してこそ、企業を成長へ導くビジネスチャンスの拡大が期待できるのです。

こうした中で注目されているのが、長年にわたり企業が慣れ親しできた従来型のマーケティング戦術にデジタルマーケティングのテクニックを取り入れるためのソリューションです。対話式パーソナライズ・ビデオによるオンラインの情報発信は、顧客体験の強化、顧客エンゲージメントの拡充やオムニチャネルの活用、さらにボトムラインの引上げを目指すあらゆる業界で、企業が有効に利用できるツールです。

ここでは、デジタルチャネルを既存のマーケティング戦略から切り離さず、逆に一体化することで生まれてくるベネフィットをご紹介していきます。

顧客体験の充実

デジタルチャネルに対するニーズの高まりを受けた急場しのぎの対策として、企業では、既存のマーケティング戦略とは切り離した形でデジタルマーケティングを導入しはじめています。こうした流れの裏にあるのは、従来型の戦略とデジタルマーケティングを統合する際に予想される複雑で膨大な手間と時間に対する懸念です。しかし、デジタルと従来型の戦略を相容れないものとして捉えることは、それぞれのチャネルを通して獲得した顧客インサイトを総合して詳細な顧客プロフィールを作り上げる貴重なチャンスを、みずから手放しているのも同然です。

デジタルと従来型の戦略を一体化すれば、まとまりのない会話の断片を、一貫した対話としてまとめ、顧客ごとにパーソナライズした情報へと集約することが可能になります。そしてこの情報をもとに、企業と顧客ひとりひとりの一生涯にわたる確かな信頼関係が構築できるのです。

なかでも対話式パーソナライズ・ビデオは、顧客がみずから企業と積極的に関わるように行動を促すことができるメディアです。企業が蓄積した顧客データを活用することにより、顧客は各自のニーズに合わせてパーソナライズした双方向型のチャネルを通して、必要な時に必要な情報をセルフサービスで手に入れることができるようになります。同時に企業の側にも、顧客満足度の向上をはじめとする多種多様なベネフィットがもたらされます。

エンゲージメントの強化

eマーケターの調査によると、米国では、インターネットユーザーの77%が「デジタルビデオを活用したマーケティングを行う企業は、より顧客のニーズに的確に応えようとしている」と評価しています。さらに10人中およそ7人の回答者が「ビデオを視聴した後に、製作した企業の製品やサービスに対する好感度が向上した」と答えています。

しかし、デジタルメディアとビデオマーケティングのもたらすベネフィットが、単に企業イメージの向上だけにとどまらないことは明らかです。こうしたメディアには、実際に企業と顧客のエンゲージメントの質を向上させる効果があるのです。その背景には、多種多様なコミュニケーションチャネルの氾濫があります。現代の消費者は、ありとあらゆるメディアが発信する情報の洪水に絶えずさらされています。こうした中で、対話式パーソナライズ・ビデオを活用すれば、顧客が自分の望む形のブランド体験を自由に構築して、企業とのエンゲージメントを積極的に高めていくことができるのです。

クロスチャネルがもたらす成長機会

縄張り意識に捕われてサイロ化したコミュニケーションが引き起こす弊害は、あらゆる企業が抱える問題です。組織のサイロ化は、部門間の情報の行き来を妨げ、自然発生的に起こる異分野の共同作業を消滅させてしまいます。サイロ化された企業組織の枠組みを取り払い、デジタルと従来型のマーケティングアプローチを一体化することにより、全社一丸となった顧客コミュニケーションのための戦略構築が可能になり、さらにはクロスチャネルがもたらす新たなビジネスチャンスの創出も期待できます。

最新のマーケティングビデオや従来型の販促物を通して集まる貴重な顧客データについて考えてみましょう。ここで得た情報を企業全体で共有しない限り、顧客プロフィールの全体像を把握することは難しく、マーケティングアプローチの実践段階で思わぬミスを起こすリスクが生じてきます。

ライフスタイルや購買行動など、顧客に関する多種多様な情報をすべての部門で共有してこそ、マーケティング戦略の最適化を通して全社的な収益性の向上を実現できるのです。

ボトムラインの引上げ

予算と時間の制約から、ビデオやデジタルマーケティングと既存のマーケティング戦略の一体化に二の足を踏む企業も出てくるでしょう。ところが実際には、ごく簡単なプロセスで、対話式パーソナライズ・ビデオをマルチチャネルの顧客コミュニケーション戦略に組み込むことができるのです。ビデオの機能を活かしたコミュニケーションのアプローチさえ立案できれば、双方向型パーソナライズ・ビデオを活用して業務プロセスの効率化を実現し、収益の向上へとつなげていくことが可能になります。

たとえば、顧客ごとにパーソナライズした請求・明細書のビデオ説明を導入すれば、顧客は支払いの内訳をより詳細に把握することができます。企業が顧客向けの情報を、こうした分かりやすいフォーマットで積極的に発信することにより、顧客は必要な時に必要な情報を自由に入手できるようになるのです。その結果、コールセンターへの問い合わせ件数が大幅に減少すればコスト削減につながり、最終的には収益の向上を実現できるのです。

デジタルと従来型のアプローチを一体化

新たなチャネルの導入には、確かに抵抗を感じるかもしれません。しかし、デジタルと従来型の戦術を一体化することによる効果は必ず現れます。対話式パーソナライズ・ビデオは、企業全体のコミュニケーション戦略と一体化してこそ、その実力を発揮するからです。

対話式パーソナライズ・ビデオをはじめとするビデオチャネルと従来型マーケティング戦略の一体化は、顧客体験と顧客エンゲージメントの質を劇的に向上させるのみならず、クロスチャネルによる新たなビジネスチャンスの創出やコストの削減、最終的には収益性の向上まで、多種多様なベネフィットを企業にもたらす新たな成長戦略なのです。

ビデオと従来型マーケティング戦略の一体化に関するさらに詳しい情報は、こちらのページでご覧ください。