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オムニチャネル戦略を成功に導く鍵は顧客中心主義

オムニチャネル戦略を成功に導く鍵は顧客中心主義

しかし、その必要性とは裏腹に、オムニチャネルを導入して顧客体験の向上を目指す企業はなかなか増えていません。IDCの2013年の調査によると、オムニチャネルの顧客体験を実現できるよう2014年にチャネルとプロセスを変革する見通しだったのは、小売業の上位250社のうち20%にとどまりました。

しかも、American Customer Satisfaction Index(ACSI)が2015年2月に発表した調査結果によると、小売業の顧客満足度は4年ぶりに低下しました。市場が激変する中、新たな解決策の取り入れに消極的な企業は、顧客離れを招くおそれがあり、競合他社に先を越されかねません。

現代の小売企業に求められているのは、オムニチャネルの価値を最大限に引き出し、優れた顧客体験を提供すること、そして、お客様の期待に確実に応え、期待のさらに上を行くことです。そのためには、顧客エンゲージメント、情報管理、位置情報の機能がひとつになった先進のオムニチャネルソリューションが欠かせません。お客様の全体像をつかみ、お客様との関係をとらえ、お客様とのコミュニケーションを最適化して、すべてのチャネルを通じて顧客サービスを強化できるようなソリューションです。


では、小売企業がオムニチャネルのマーケティング戦略を最大限に活用し、すべてのチャネルで顧客体験を向上させるためには、何が重要なのでしょうか。その鍵となるのは、お客様を中心に置き、スポットライトを当てることです。


お客様を中心に置いたオムニチャネルの効能

先進的な企業は、お客様とのすべてのやり取りでオムニチャネルのマーケティング戦略を最大限に活用しています。もちろん、1つのチャネルで優れた成果を上げている小売企業も、称賛に値するのは確かです。たとえばZippos®は、顧客サービス専用のTwitterアカウントを開設しており、その返信の早さはTwitterでも随一です。しかし、一般論として言えば、これからの小売企業がグローバルにビジネスを発展させ、収益力を高めていくためには、1つのチャネルの扱いがいくら優れていても、それだけでは不十分です。

今の時代にお客様が期待しているのは、企業と接触するすべてのチャネルを通じて、自分にぴったり合ったシームレスな体験を提供してもらいたいということです。企業がその期待にきちんと応えられないと、お客様は離れていってしまいます。

お客様一人ひとりの違いに合わせて、企業が提供する商品やサービスもそれぞれ異なるのが当然です。たとえば、買い物の仕方やニーズは、勤務先の所在地から食事制限に至るまで、ありとあらゆる要素に応じて変わってきます。郊外の住宅地で5人の子供を育てている女性と、大都市に住む独身女性とでは、買い物の嗜好はまったく異なります。

お客様への理解を深めると、購買意欲が高まるきっかけとなるような人生の転機もつかむことができます。たとえば、就転職、出産、転居などです。これから始まる人生の新たな1ページに胸を膨らませているお客様は、これまでとは違う商品やサービスを必要としている可能性が大いにあります。そこには、パーソナライズを追求した販売やサービスのチャンスが隠れています。

顧客エンゲージメントソリューションを利用すれば、そのような節目にあるお客様を割り出し、その前後のタイミングで、関連するオファーや広告を提示することができます。たとえば、引っ越しの荷ほどきをようやく終えたばかりの人が、郵便受けを確認したとします。どうせ何も届いていないだろうと思っていたら、意外なことに、近所の雑貨チェーンBed Bath & Beyond®や家具チェーンCrate & Barrel®の店舗から、新しい日用品のまとめ買いに使えるクーポンが入っていたとしたらどうでしょうか。


オムニチャネル戦略は、お客様と小売企業の双方に恩恵をもたらします。お客様にとっては、自分が本当に必要とする商品やサービスのオファーを受けられるため、満足感が高まり、顧客体験の質も上がります。小売企業にとっても、的確なターゲットに届くオファーが増え、収益につながることは喜びです。

 

お客様との接触にデータを生かすことがポイント

現在のグローバルな小売業界で鍵を握るのは、一人ひとりのお客様に合った最適な商品やサービスを提供することです。しかし当然ながら、その実現は決して簡単なことではありません。モバイル技術やデジタルチャネルの進化によって、企業が得られる顧客データは増えています。しかし、データを収集しただけで満足してはいけません。肝心なのは、その膨大なデータをどのように生かすかです。取得したデータを分析したうえで、そこから得た情報を行動に反映し、お客様一人ひとりと実りある関係を構築することが重要です。

お客様がどのタイミングで何をどの手段により購入したかというデータは、しかるべきソリューションを導入すれば収集できます。しかし、そのデータが持つ意味を理解し、そのお客様との今後のコミュニケーションに反映できなければ、収集したデータは無用の長物になってしまいます。

たとえば、ロケーションインテリジェンス技術を活用したソリューションを導入していれば、地理情報のデータを取り込み、顧客データや人口統計データと関連づけたうえで、特定の地域で新店舗を開店するのに最適な場所を判断できます。データの内容によっては、どのような形態の店を出せばよいかや、どのような品揃えが適切かということも判断できるかもしれません。一方、このようなソリューションを使わない場合、的外れな店舗を、的外れな場所に、的外れなタイミングで出店し、大きな損失を招くおそれがあります。

また、社内の組織やシステムがサイロ化していることが原因で、データの価値を一部しか引き出せていない場合もあります。会社全体で見ればデータが豊富にあるにもかかわらず、サイロ化のせいで簡単に利用できず、お客様の全体像をつかめなくなっている状態です。

グローバルな小売業界でさらなる成長を果たすためには、社内のサイロを打破し、お客様とのコミュニケーションを全社で一体化できるようなソリューションが欠かせません。オムニチャネル戦略への投資で成功を収めた小売企業の例としては、高級デパートNordstrom®があります。たとえば同社は、買い物を支援するための「Search & Send」という小型デバイスを導入しました。この装置を使うと、店頭で品切れとなっている商品があったときに、該当する商品やサイズのすべての在庫を売り場担当者が検索し、その商品を最も早くお客様に届けられる方法を割り出すことができます。このように、さまざまな手段を一元的に捉えることができれば、すべての接点、すべてのチャネルを通じて、お客様とのコミュニケーションが実りあるものに変わります。ソーシャルメディアやモバイルデバイスといった現在のチャネルから、まだ日の目を見ていない未来のチャネルに至るまで、お客様とのコミュニケーションに一貫性が生まれ、つながりが深まります。

オムニチャネルが拓く未来

オムニチャネル戦略を取り入れて活用することは、競合他社の上を行く大きなチャンスです。しかし、新しい技術が次々と登場し、お客様の要求も常に変わる中では、変化の波を柔軟かつ的確にとらえ続けていかなくてはなりません。

現代のグローバルな小売業界では、一人ひとりのお客様に合ったアプローチを実現し、顧客データから最大限の価値を引き出すことが成功への近道です。そのために必要なのが、顧客エンゲージメント、情報管理、ロケーションインテリジェンスの各ソリューションであり、これらの機能が一つになったソリューションです。目標に合った一貫性のあるメッセージを打ち出し、顧客体験を向上させ、業績アップにつなげることができます。

オムニチャネル戦略が小売企業にもたらすメリットについては、ホワイトペーパー「Delivering the Omni-Channel Experience for Global Ecommerce」をぜひご覧ください。

グローバルな小売業界でビジネスを拡大する方法については、こちらのページをご覧ください。