ロケーション インテリジェンス

大分県‐防疫対応にGISを採用

鳥インフルエンザの防疫対応に必要なデータを極めて短時間で処理・抽出できるようになり、作業時間の大幅な短縮につながりました

お客様の概要

大分県は、九州東部に位置する面積6340km2(全国22位)、人口約120万人(全国33位)の都市


有名な温泉地をはじめ観光地も多く、関サバ・関あじなどの水産物、シイタケやかぼすなどの農産品、また、養鶏が盛んで、とり天や唐揚げなど地元の郷土料理も人気

 

ビジネス目標

家畜伝染病の場合は初動で時間をかけないことが大事

市町村との調整を含め、作業にかかる時間を短縮し、さらに迅速な意志決定によって、すばやい初動体制を敷く

 

利点

現場メンバーが誰でも使いこなせるシンプルなシステム

地理情報システムにより、従来とは比較にならないほど作業時間の短縮を実現

地図上で整理された情報を見ることができるので、意志決定がスムーズになった 

使用した製品

概要

「防疫マップシステムの導入で、防疫計画の立案に必要なデータを極めて短時間で処理・抽出できるようになり、作業時間の大幅な短縮につながりました。しかも、一般の職員でも簡単に操作できるように作られているのが助かります。」 大分県農林水産部 家畜衛生飼料室 環境衛生班 主査 矢崎 竜 氏
Oita Prefecture

鳥インフルエンザの対策のための「防疫マップ」作成にあたり、家畜伝染病に特化した地理情報システムを導入が検討されました。

MapInfo Professionalベースの地理情報システムにより、従来とは比較にならないほどの作業時間の短縮が実現。同時に意志決定も早くなりました。

ビジネス ニーズ

不眠不休で鳥インフルエンザを制圧

「平成16(2004)年の2月に九重町で発生した鳥インフルエンザが始まりでした。」鳥インフルエンザ対策のための『防疫マップ』導入を中心的な立場で進めてきた大分県農林水産部家畜衛生飼料室の吉武室長に経緯を振り返っていただきました。


「国内で2例目の症例ということもあって、職員全員が封じ込め策の実務経験はありませんでした。2月14日に事が始まってから、3月12日の終息宣言までの25日間は不眠不休で防疫活動に従事しました。」

環境衛生班の矢崎さんには、さらに具体的なエピソードを披露していただきました。「発生場所から半径30kmは移動制限区域となります。この区域内の養鶏施設をピックアップするために、5万分の1地形図を貼り合わせました。2畳ほどの大きさになったと思います。ここに糸とペンで線を引いて、対象施設をピックアップしました。」

「とにかく、家畜伝染病の場合は初動で時間をかけないことが大事なことです。当時は市町村との調整を含めてこの作業に3日ほどかかっていました。もう少しすばやく初動体制を敷けるようにすることが課題として残されました。」

 

 

ソリューション

公募型プロポーザルで導入へ

この経験を踏まえて、家畜伝染病に特化した地理情報システムの導入が検討されることになりました。「平成18(2006)年度にプロポーザルによる公募を行い、競合の末に地元の日建コンサルタントが提案したMapInfo® Proをベースにカスタマイズを施した『防疫マップ』が 採用されることになりました。」

吉武さんに採用の決め手をうかがったところ「何といってもその使い勝手にありました。コンピュータの操作にそれほど慣れていないメンバーでも、特別なトレーニングなしで使えそうだという点を最も重視しました。」とコメントいただきました。

メリット

「インフルエンザが発生しやすくなる寒い時期になると、夜を徹して封じ込め対策を行ったことを思い出します。でも、『防疫マップ』を導入してからはかなりの作業をシステムがやってくれます。意志決定が確実に早くできて、安心して毎晩眠れます。」 大分県農林水産部家畜衛生飼料室 室長 吉武 理 氏
Oita Prefecture

すばやい意志決定ができる点が魅力です

『防疫マップ』では、畜産農家の位置や飼育頭数・場内配置図といった情報を格納しています。まず地図上に発生地点をプロットし、移動・搬出制限区域を任意の半径で設定します。この作業だけで制限区域内の農場を抽出し、これらを帳票として出力することができます。
矢崎さんは続けます。「家畜伝染病の感染拡大を防ぐためには、家畜の移動を制限することが重要です。すばやく行わなければ、伝染病が広がってしまいます。『防疫マップ』が導入されてからは、市町村との調整も含めて数時間程度で制限区域の設定ができるようになり、すぐに対象農場をリストアップできます。あとは手分けして農場に電話連絡を行うことになります。」


「このほかにも、制限区域の境界での通過車両の消毒ポイントや処分した家畜の埋設地の選定にも、マップは威力を発揮しています。平成22(2010)年に隣県の宮崎県で発生した口蹄疫の際も、種牛の避難先を検討するのに役立ちました。情報が地図上で整理されて見られるので、意志決定がスムーズにできることは評価しています。」と吉武さんからもコメントいただきました。

大分県で導入されたこのシステムは有効性を評価され、今では鹿児島県と福岡県でも採用されています。
「鳥インフルエンザが蔓延してしまうと、大分県の有名な郷土料理『とり天』や『唐あげ』が食べられなくなってしまう可能性があります。県民の楽しみを奪うことがないように、これからも『防疫マップ』をフル活用していきます。」と吉武さんに締めていただきました。