ロケーション インテリジェンス

MRの訪問ターゲットを最適化

さまざまな制限を前提に、限られたリソースでMRの訪問ターゲットを最適化

お客様の概要

世界最大の製薬企業

1849年米国ニューヨークで誕生、ヘルスケア分野における世界のリーディングカンパニー

「日本で最も信頼され、最も価値あるヘルスケア企業になる」というビジョンのもと、人々のクオリティ・オブ・ライフに貢献

ビジネス目標

MRの生産性を高めるため、ドクターの訪問規制や移動時間を考慮し、効率のよい訪問先シュミレーションを実現

訪問ルートの最適化ではなく、ターゲッティングの最適化をめざす

 

 

利点

各施設のガイドラインに沿った効果の高い巡回スケジュールをシュミレーションできる

面談ガイドラインの達成率が50%程度からおおむね75%程度まで改善 

 

使用した製品

詳細

概要

「位置情報の活用というと、渋滞回避とか最短ルートとかカーナビっぽいことを考えてしまいがちです。でもそうではなく、最適なターゲティングをシミュレーションしたいのです。そのためにはドクターの訪問が難しい時間帯や移動時間などの前提条件を正確に把握してシミュレーションを行うことが必要なんです。」 ファイザー株式会社 ワクチン事業部門 ワクチン営業統括部 営業戦略推進部 髙井 暢之 氏
Pfizer Japan Inc.

MRの活動環境の変化により、従来導入していた営業テリトリの編成システムは、現実に即さない場面が出てきていました。

MRの生産性を高めるため、システム改善を行い、訪問規制や移動時間を考慮して効率のよい訪問先シミュレーションを実現しました。

 

ビジネス ニーズ

担当領域最適化のシステムだけでは十分ではなかった

「これまで使ってきたシステムは机上の空論でした。」
ワクチン事業本部 ワクチン営業統括部 営業推進部長の岩根さんはスタッフを前にこう語ったそうです。

実は岩根さんは以前所属していた部署で、位置情報を活用した営業部門効率化のためのシステム導入経験がありました。このシステムはMRの稼働率を高めるために数年前に導入を実施したもので、MapInfo Proの領域編成機能を使ってMRの担当地域を最適に割り当てるというものでした。
「MRの稼働時間100%をコミットできるという前提のもと、担当領域を最適化して情報提供の機会を最大化するためのシステムでした。各担当者のカンに頼っていた頃に比べれば確かに導入後にはMRの稼働効率は上がりました。でも、1か月の間にすべての担当ドクターに会えるはずなのに、実際にはこちらの思惑通りに仕事が進まない。なぜそうなるのかを考えて改善する必要に迫られていました。」岩根さんに当時を振り返っていただきました。

その原因は、実はここ数年のMRの活動環境の変化にありました。
「今やほとんどの医療機関ではMRを対象にした訪問規制が導入されています。MRがドクターに会って情報提供できる時間は限られてきています。他社のMRもその時間をめがけて活動を行うこともあって、MR側の都合だけで最適化を行うことには無理があることが分かってきました。」
人命に直結する医薬品を取り扱うことから、的確な情報提供を最適なタイミングで行うための面会時間確保は至上命題です。さらにドクターとの面談も月1回では不十分で、月2回以上の面談がガイドラインとして設定されることも多いそうです。
「月1回の面談であれば訪問規制があっても従来のシステムでも通用するが、2回以上の面談が前提となると個人の管理だけでは難しくなってきます。」

 

ソリューション

「これまでは、『過去の面談実績から算出したMRの1か月間の面談可能数を十分に活用すれば、それぞれのターゲットドクターに必要回数面談できるはず』という考え方でターゲティングしていました。しかし、実際には訪問規制などもあって月2回以上の面談をクリアできるケースは目標の1/4程度にとどまっていました。」と営業戦略部の髙井さんに当時の課題を振り返っていただきました。「情報提供先のドクターの都合や医療機関間の移動にかかる時間も考慮できたらいいな。」と改善点を考えていました。
この課題をピツニーボウズに相談したところ、配送シミュレーター用のシステムを改良して課題を解決できるのではないかという提案があり、これを採用することとなりました。

訪問対象となる各医療機関の訪問可能な時間帯を設定し、移動時間を考慮した最適なMRの面談スケジュールをシミュレーションする「TourSolver」をMapInfo Proのアドオンとして動かしています。

また、MRにはシミュレータが作成した最適化された訪問予定が提供されます。
本シミュレーションの結果を基に、渋滞や不在など実際の状況に即して柔軟に運用されています。 

 

 

メリット

「これまでのシステムは『机上の空論』でした。最適化するのはMRの行動だけじゃダメ。相手方のドクターの条件を考慮してはじめて現実に即した訪問ターゲットが最適化できるのです。」 ワクチン事業部門 ワクチン営業統括部 営業戦略推進部 部長 岩根 学 氏
Pfizer Japan Inc.

必要なのはルートじゃない。限られたリソースで訪問先を最適化すること

導入成果について、髙井さんにご説明いただきました。
「たとえば担当エリア内に200の医療機関があった場合、月1回すべてのドクターと面談するよりも、各施設ごとにガイドラインに定められた回数の面談を行う方が情報提供の質は上がります。システム導入の結果、200の施設から高い効果が期待できる100の施設を抽出して巡回のスケジュールをシミュレーションすることができるようになりました。」
岩根さんによれば、このシステムの導入により「ガイドラインをクリアできた施設は50%程度からおおむね75%程度まで上昇しました。導入してよかったと思っている。」と評価いただきました。

各MRには移動ルートも含めた巡回スケジュールが提供されるものの、髙井さんによれば「必要なのは移動ルートじゃない。重要なのは移動時間や施設の重要性をベースにどれだけ多くの情報を伝えられるかのシミュレーションだ。MRの皆さんには移動ルートはあくまで参考で。」と伝えているそうです。